はじめに
ついに今まで謎にされてきたSORACOMのサービスが明らかになりました。
今までIoTのサービスだということだけを聞いていましたが、それ以外のことは一切謎に包まれていました。
ラッキーなことに事前に使わせて貰っていたので、公開しても良い9/29が過ぎた今日このブログを公開します。
SORACOMって?
SORACOMのサービスは簡単にいうと、IoTのための世界で一番柔軟な通信回線を提供するというサービスだと思ってます。
そんなSORACOMに対して一番興味を惹かれたのはこの一枚のスライドです。
提供:SORACOM
正直AWSでIoTということで、L4以上のレイヤーを想定していたので、まさかL2で!?というのには胸が熱くなります。
柔軟な通信環境と通信料金を設定出来るようになっている事がビジネスの肝になっていそうで、これは今までの通信の世界では破壊的で、CTOの安川さんらしいなという感じがしました。
料金は?
ちなみに料金プランを見てみると
https://soracom.jp/services/air/price/soracom.jp
料金を見るとUPの方が安い事がわかります。
SIMフリーのスマホとかタブレットにさして使うとかも考えられますがそういった使い方であれば、正直IIJmioの方が安いと思います。
IoTのための通信回線というのがここの料金からも読み取れますね。
アップロードは安いのでセンサーなどのデータのアップロードや、カメラの映像を飛ばすとかであれば非常にありがたいことになります。
料金プランもs1.とかあるので、
たぶんそのうち、アップロードだけ早いu1.とかダウンロードだけが早いd1.とか出てくるのでしょう。
触ってみる
スピードテスト(
SORACOM Airのスピードテストをしてみた。 | DevelopersIO
)とか、使い勝手とか、APIの話とか、UIの話しは別の人が多分書いてくれるので今回はおいておいて、今回はそのネットワーク周りを探っていきたいと思います。
端末側のIPアドレスは?
まずはSIMをさして、自分のIPアドレスを確認するとどうなっているのかを確認してみます。
今回いろいろと検証に利用したのはこの端末
まずは単純にipconfigの値を
モバイル ブロードバンド アダプター モバイル ブロードバンド:
接続固有の DNS サフィックス . . . . .: リンクローカル IPv6 アドレス. . . . .: fe80::ad68:fe85:f4cc:20c3%11 IPv4 アドレス . . . . . . . . . . . .: 10.173.101.69 サブネット マスク . . . . . . . . . .: 255.255.255.0 デフォルト ゲートウェイ . . . . . . .: 10.173.101.1
SIM経由でふられたIPアドレスは10.173.101.69/24というプライベートIPアドレスが振られました。
ここでふと思った事が二つ。
1つ目はプライベートIPだという事です。
もう一つは /24?ということでした。
とは言え、L2でAWSまで接続されているので、マスクは端末が適当に設定していて、正直どうでも良いことなのでしょう。
それかもしかしたら、接続するごとにネットワークアドレスが変わるんじゃないかという事で試してみました。
2回目、10.173.101.69
3回目、10.173.101.69
4回目、10.173.101.69
5回目、10.173.101.69
何回やってもアドレスが変わらないので、楽しくなってきました。
次に速度を変えてみます。
s1.standardだった所からs1.fastに変えてみます。そして切断、接続を繰り返してみます。
やはり変わりません。
次はステータスを休止にして開始にし直してみます。
ちなみに休止のステータスにした途端にネットワークは切られました。素晴らしい速さです。
休止から使用開始とまたステータスを変更しましたが、ここでもIPアドレスが変更されませんでした。
もしかしたら、MSISDN、IMSI当たりとIPアドレスを紐付けているのかもしれません。
そうなると、SORACOM AirのSIMはたった16,581,375枚しか発行出来ない事になってしまいます。
良い風に捉えると、SORACOM AirのIPアドレスが固定されるという事であれば、SORACOM Air同士の通信が出来るんじゃないかなんていう夢も広がります。蟻です。蟻のネットワークが作れます。
しかし、もしIPアドレスが固定されているのであれば、consoleや、APIでそれが見れるようになっていてもおかしくないはずです。
ここはただアドレスを割り振ったキャッシュが数時間残っているというのが一番可能性として高そうです。
(きっと、APIでSIMに対してなにか送信できるサービスができてくるに1票 SORACOM controlみたいな)
参考までに:IIJmio
接続固有の DNS サフィックス . . . . .: IPv6 アドレス . . . . . . . . . . . .: 2001:240:2401:9bfa:ad68:fe85:f4cc:20c3 一時 IPv6 アドレス. . . . . . . . . .: 2001:240:2401:9bfa:1847:8bce:a8b8:2a30 リンクローカル IPv6 アドレス. . . . .: fe80::7:3a43:1401%11 リンクローカル IPv6 アドレス. . . . .: fe80::ad68:fe85:f4cc:20c3%11 IPv4 アドレス . . . . . . . . . . . .: 100.92.169.196 サブネット マスク . . . . . . . . . .: 255.255.255.0 デフォルト ゲートウェイ . . . . . . .: fe80::7:3a43:1402%11 fe80::7:3a43:1440%11 100.92.169.1
外側のIPアドレス
次にこのSIMからインターネットにアクセスした時のGlobal IPをしらべてみます。
What Is My IP Address - Online Privacy and Safety Experts
141.0.9.62
でした。
このIPアドレスを
$ dig -x 141.0.9.62 〜略〜 62.9.0.141.in-addr.arpa. 79173 IN PTR s20-16.opera-mini.net.
まさかのここでOperaTurbo
外側のIPアドレス(テイク2)
次にこのSIMからインターネットにアクセスした時のGlobal IPをしらべてみます。
What Is My IP Address - Online Privacy and Safety Experts
54.65.46.149
でした。
このIPアドレスを
$ dig -x 54.65.46.149 〜略〜 149.46.65.54.in-addr.arpa. 300 IN PTR ec2-54-65-46-149.ap-northeast-1.compute.amazonaws.com.
EC2の東京リージョンのIPアドレスがアクセス元のGlobal IP として出てきました。
一安心です。
AWSのIPアドレスからBANするのが好きなサイトとして有名なiTownpageも見てみましたが、無事に見れました。(OperaTurboもOff)
Traceroute
続いてTracerouteで、どのようなネットワーク経路を通ってインターネットに接続されていくのかを見ていきます。
PS C:\Users\ope> tracert google.com google.com [173.194.126.227] へのルートをトレースしています 経由するホップ数は最大 30 です: 1 502 ms 454 ms 556 ms ec2-175-41-192-130.ap-northeast-1.compute.amazonaws.com [175.41.192.130] 2 308 ms 231 ms 125 ms 27.0.0.154 3 608 ms 530 ms 623 ms 27.0.0.136 4 241 ms 294 ms 423 ms 15169.tyo.equinix.com [203.190.230.31] 5 582 ms * 579 ms 72.14.236.82 6 426 ms 570 ms 585 ms 72.14.232.109 7 550 ms 387 ms 546 ms nrt04s08-in-f3.1e100.net [173.194.126.227]
1hop目からいきなりEC2きました。AWSまでL2で来ている事が確認出来ました。
その次のHOPも見てみましたが、
http://www.speedguide.net/ip/27.0.0.154
http://www.speedguide.net/ip/27.0.0.136
http://www.speedguide.net/ip/203.190.230.31
http://www.speedguide.net/ip/72.14.236.82
。
このTracerouteを何回か取ってみることにことにしました。
$ tracert -h 1 amazon.co.jp 1 559 ms 612 ms 697 ms ec2-175-41-192-230.ap-northeast-1.compute.amazonaws.com [175.41.192.230]
$ tracert -h 1 hatena.ne.jp 1 559 ms 612 ms 697 ms ec2-175-41-192-232.ap-northeast-1.compute.amazonaws.com [175.41.192.232]
$ tracert -h 1 www.soracom.jp 1 559 ms 612 ms 697 ms ec2-175-41-192-234.ap-northeast-1.compute.amazonaws.com [175.41.192.234]
なんかコンプリートしたくなってきました。
$ tracert -h 1 google.com 1 559 ms 612 ms 697 ms ec2-175-41-192-236.ap-northeast-1.compute.amazonaws.com [175.41.192.236]
色々なドメインに対してのtracerouteを試してみましたが、今ここを書いている時点では第4オクテットが230,232,234,236が出てきました。
tracerouteの先がs3-website.****の時には少し変わって、12とか20、130が出てきました。
1 498 ms 467 ms 629 ms ec2-175-41-192-12.ap-northeast-1.compute.amazonaws.com [175.41.192.12] 1 35 ms 44 ms 56 ms ec2-175-41-192-130.ap-northeast-1.compute.amazonaws.com [175.41.192.130]
$ 1 559 ms 612 ms 697 ms ec2-175-41-192-20.ap-northeast-1.compute.amazonaws.com [175.41.192.20]
とはいえ、ドメイン200個程試してみましたが、この7個しか見つける事しか出来ませんでした。
さいごに
今回はSORACOM Airについて色々といじってみましたが、私としては手元にAWSのIPアドレスを引き込める事に非常に魅力を感じました。
さらにSORACOM Beamという別サービスとしてL3以上で付加価値をつけるというのも非常に興味津津です。最近はレイヤーの高い技術ばかりだったので、久しぶりのL3以下の技術にふれられて今日は興奮で寝れないかもしれません。
昨日ははてなのCTO 田中さんでした。
blog.stanaka.org
明日以降もSORACOM リリース記念リレーブログは続きます。
blog.soracom.jp